波浪・流況調査

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マルチビーム深浅測量

マルチビーム深浅測量は、扇状に発振する音波によって面的な測量を可能にします。
当社では、マルチビーム測深機の最新機種であるR2SONIC社 Sonic2024と慣性航法装置のAPPLANIX社 POS-MVを導入しました。Sonic2024は従来の中浅海域マルチビーム測深機の優れた機能を踏襲・統合し、浅海域における超高解像度の測深調査か ら水深400m程度における測深調査まで1台で対応できます。

マルチビーム深浅測量

高分解能フォーキャストマルチビーム測深機 Sonic2024

SYSTEM3000

計測概要

マルチビーム測深機から送信される音響ビームは、調査船の左右両舷方向に幅広く、前後方向に狭い扇 型の形状です。一方、海底から反射した音波を受信する音響ビームは、調査船の左右両舷方向に狭く、前後方向に幅広い形状で多数形成されます。これらの送信 ビームと受信ビームはクロス合成されることで複数の鋭い音響ビーム(ナローマルチビーム)が形成されます。この方式を「ミルズクロス方式」と呼びます。
従来のシングルビーム深浅測量が、1本の音波を連続して送受信する「線的」な測量であるのに対し、マルチビーム深浅測量は「面的」な測量です。

ミルズクロス方式の概念図

シングルビームとマルチビームの比較

簡易艤装

測深ソナーは調査船の舷側に取り付けます。調査船のサイズにより、角材を用いた固定方法や、舷側に直 接固定する方法などがあります。数人乗りの船外機船から20トン程度の船であれば、既存の金具等を用いて艤装することが可能です。

マルチビーム深浅測量

マルチビーム舷側艤装

オペレーションシステム

オペレーションシステム

データ取得画面

データ取得画面

最新機能

スワス角度・スワス方向を自由に変更できることで、形成する256本のビームを1方向に集約して発 振することが可能となりました。例えば、やや水深が深い場所で構造物の現況を把握する場合には、調査船の直下方向にビームを集約し探査することでより高解 像度な画像が得られたり、港湾施設の海中部ではコンクリート構造物やブロック等に向けて斜めにビームを集約することにより、港湾施設の現況をより詳細に把 握することもできます。

SONICコントロール画面

対象物の位置が明らかな場合には、ビームを集約し高密度で計測することができる。

精密海底地形調査

精密海底地形調査

構造物現況調査

構造物現況調査

ダム堆砂調査

ダム堆砂調査

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マルチビーム機種比較

マルチビーム機種比較

マルチビーム計測概要

マルチビーム測深システムは以下の機器で構成されます。

1. ディファレンシャルGPS

MTSATによる静止衛星型衛 星航法補強システム補正型(通称MSAS)を使用するため、中波ビーコンの届かない海域でも高精度測位が可能です。

2. マルチビーム測深ソナー

用途に合わせた測深機の選定ができます。水深400m〜数千メートルでのマルチビーム測深についてもご相談ください。

3. 動揺センサー

調査船のロール・ピッチ・ヨーの3成分をリアルタイムで計測します。マルチビームによる面的計測の 場合、風や波浪による調査船の揺れは、測深データに大きく反映されてしまいます。このような影響を補正するのが動揺センサーです。

4. 方位センサー

調査船の航行方位をリアルタイムで計測します。

5. 水中音速度計もしくは水温塩分計

マルチビームでは、1 日に1 回以上、水中音速度の計測を行います。シングルビームの「バーチェック」に相当します。水中音速度は1,500m/secとされていますが、実際には海水 の密度(水温と塩分濃度に大きく依存)よって変化します。そのような水中音速度を表層から最大水深まで一定深度毎に計測し、測深データを水深毎に音速度補正を行います。

マルチビーム基礎知識

マルチビーム測深とは、扇状の音波を海底に向けて発振し、海底で反射した音波から多数の水深値を算 出する技術です。近年では言葉の定義が改定され、扇状の音波で面的に測深する方法を「スワス測深」と総称し、技術的な分類として「マルチビーム」と「イン ターフェロメトリ」に分類されました。

1. マルチビーム

RESON社のSeaBatシリーズやKongsberg社のEMシリーズに代表される、日本国内 においてはこれまで多くの港湾や沿岸域で用いられてきた手法です。調査船に直行する扇状に発振した送信ビームと、調査船の進行方向に形成される多数の受信 ビームの交点において、角度ごとの音波の戻り時間を計測し水深値を得る方法です。この方法は、従来「クロスファンビーム方式」と呼ばれてきましたが、近年 では「ミルズクロス法」と呼ばれます。

2. インターフェロメトリ

GeoAcoustics社のGeoSwathPlusやBENTHOS社のC3Dなどに代表され る、サイドスキャンソナータイプのスワス測深機です。マルチビームが『角度ごとの音波の戻り時間を計測する』のに対し、インターフェロメトリでは『時間ごとに角 度の位相差を検出』します。そのため、インターフェロメトリ測深機には片側に2〜3個の受信アレーが装備されています。インターフェロメトリ測深機を使用す る利点は、1)スワス幅が極めて広い、2)サイドスキャンイメージの取得が可能、などが挙げられます。

3. マルチビーム VS インターフェロメトリ

計測システムの性質上、インターフェロメトリはフラットで大きく水深が変化しないところを得意とします。
沿岸漂砂の移動や構造物の現況把握、その他の高精細な水深記録を取得する場合にはマルチビームを使 用した調査をお勧めします。尚、マルチビーム測深データの他にサイドスキャンデータも取得したい場合には、別途サイドスキャンソナーを同時に曳航すること も可能です。

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